神への祈り

神への祈り

 アイヌには決められた時期に行うカムイノミ(神への祈り)があります。

 1月頃 アシパエカムイノミ(新年の祈り)
      その年のコタン、家の無事を祈る
      シンヌラッパ(祖霊祭)
      祖先の供養、祀る神への供養イオマンテ(クマの霊送り)

2~3月 キムンカムイコオンカミ(クマ神に対する祈り)

  4月 ハルエノミ(食料祈願)
      豊作祈願・コタンの安全祈願

6~7月 レパカムイノミ(沖漁祈願)
      沖漁に際する安全祈願

  8月 シンヌラッパ(祖霊祭)

  9月 チェプカムイノミ(秋ザケの祈願)
      秋ザケ漁を前に安全・豊漁を祈願
     ペカンペカムイノミ(ひしの実収穫祭)
      道東塘路地方

 10月 シンヌラッパ(祖霊祭)

 11月 スサカムイノミ(ししゃも祈願祭)
       鵡川・八雲地方
     キンムイラマンテカムイノミ(山猟の祈り)
       山猟の安全祈願



神々の種類

 古老によれば神様は三つに分けられるといいます。
ペケカムイ・・・「普通の良い神」
パセカムイ・・・・「重々しい・尊い神」
ウェンカムイ・・・「悪い神」



カムイ

 カムイはアイヌに恵みを与える場合もあれば、厳しい試練を与える場合もあります。
 カムイは絶対的存在ではなく、何かアイヌに対して落ち度が有れば、アイヌは講義する事も出来たのです。
カムイはアイヌにとって役に立ち感謝されるものであり、アイヌも神にとって役に立つものであるとされ、
カムイとアイヌは相互扶助の関係です。

 カムイは神の国カムイモシリにいるときは、人間の姿をしていて、人間と変わらない生活をしています。
人間を見守り、人間世界アイヌモシリに鮭や鹿といった食料を降ろしたり、
神自らが動物や植物、物に化身して人間に恵みを与えます。
 人間に病気や悪さをもたらす力を持ったカムイも多く存在し、特に疱瘡はパコカムイといって恐れられます。


 カムイとは普通「神」と訳しますが、日本語の神や仏とは意味の重なる部分も多いですが、一致するものではありません。
また、地域により色々と変化しますので注意が必要です。


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